JICEの国際交流とは

参加者の声

【インタビュー】MIRAI2018日本の政治・安全保障に参加したベラルーシ共和国のアナスタシア・サウコワさんにメールでインタビューを行いました。

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アナスタシア・サウコワさんは2018年11月にMIRAIプログラムの一環として「日本の政治・安全保障」をテーマとするプログラムに参加しました。サウコワさんは、大学で第二外国語として日本語を学び、今年3月に開催された在ベラルーシ日本国大使館主催の日本語弁論大会で見事、第三位に入賞しました。

―どうしてMIRAIプログラムに参加したのでしょうか? 

約3年間、私はベラルーシ共和国のミンスク国立言語大学(以下MSLU)で日本語を学んできました。しかし、これまで「太陽が昇る国(日本)」には行ったことがありませんでした。

私の専攻は通訳と翻訳です。日本人とベラルーシ人との間でコミュニケーションを確立するのを助けるためには、日本のあらゆる面をよく理解していることが不可欠です。そのため、私は自分の視野を広げようと決めました。日本に関する興味と熱意を持ち、日本文化や日本語に関係する様々なイベント、例えば、映画週間、文化祭やワークショップ、ボランティアやアートコンテストなどに参加して経験を積みました。長年にわたって日本の世界観、歴史、そして伝統についての本を読んできました。また、日本の歴史ものの映画に魅了されました。

日本の人々に出会い、日本とベラルーシは地理的に離れているものの、二国間には共通点があり、精神的に似ている部分があると分かりました。そして、MIRAIプログラムに参加することで、自分の仮定を確かめたく、また気づきを広めたくなったのです。

さらに、私は常に旅に出て、新しいことを見つけようとしてきました。勉強だけでは足りないと感じていましたし、宝石が発見されるのを待って輝いているように、このプログラムからたくさん学ぶことができるのではないかと強く思っていました。他にも大学の先生たちが日本でのプログラムの良い点をたくさん話してくれましたので、助言に従って申請し、幸運にも参加することができました。

―一番印象に残っていることは何ですか? 

それは日本そのものです。様々な形、色と影、風味や好みなど全てが印象的でした。見て、聞いて、食べて、自分が来日前に期待していたものと比べて楽しみました。外務省や名高い大学を訪問した時、文化的なワークショップに参加した時、主催者や参加者と経験を分かち合った時、夜に通りを歩いた時、天ぷらを食べ抹茶を飲んだ時、日本で過ごした全ての瞬間を大事にしています。その国の空気に飛び込んで、その人々と話すことによって自分自身を豊かにして、世界観を再考することができました。

プログラムの中で一番印象深いのは、被爆者講話でした。広島の原爆とグローバルな協力について真剣に話し合うことができました。私は、チェルノブイリ原子力発電所での壊滅的な原子力事故に苦しみ、今でもそのような巨大な災害の傷を負っているベラルーシの一市民として、彼女が感情をこめて話してくれた話に深く同情しました。

手短に言えば、プログラムは私の勉強や将来に役立つものでしたので、日本語と英語を上達させてくれた先生方、私を選んでくれた在ベラルーシ日本国大使館、そしてよく計画された活動と忘れられない経験をくれたJICEと日本外務省に感謝します。

MIRAIプログラムにて
MIRAIプログラムにて

―JICEスタッフやコーディネーターのサポートはどうでしたか? 改善点があれば教えてください。 

スタッフの皆さんは献身的で丁寧でした。コーディネーターの人達はプログラムを通して素晴らしいガイドをしてくれました。日本語で話しかけてくれたおかげで、日本語のスキルを上達させることができました。フリータイムにどう過ごせばいいのか、地図やヒント、アドバイスを提供してくれました。JICEは準備の進め方や組織の在り方のロールモデルだと思います。そのままを維持して、さらに良いパフォーマンスをして欲しいと思います。

―どのようにして日本語を習得しましたか? 参加した弁論大会の様子を教えてください。 

MSLUでは、日本語を第二外国語として選択する機会があります。基本的に私たちは将来の先生方やネイティブスピーカーと会えるイベントがあり、話してみて自分に適した言語を選択できます。私は日本の独自性に強く憧れ、日本語の美しさに触発されました。そのため、この素晴らしい言語を学んで日本文化を探求することに私の人生を捧げようと決めたのです。

日本語の先生たちは親切で経験豊富でした。日本を訪れた経験、日本人と一緒に働いた経験を話してくれ、「エデュテイメント」として広く知られているアプローチから、文法、音声、スピーチ練習、国についての学習、通訳のそれぞれの分野の授業を実施してくれました。私たちは日本、英国、ロシアの著者によって書かれた本や辞書を、印刷物とデジタル版の両方で使用したり、日本の新しいニュースについて話し合ったり、異なるポッドキャストを聞いたり、レポートを書いたり、日本語でのプレゼンテーションを行ったりします。これらによってフォーマルな日本語の知識が高められます。友達になった日本人から普通の日本語やくだけた日本語をより深く学びます。なので、この友達とはずっと繋がって、毎日興味深いコロケーションを学んでいます。

さらに、MSLUでは翻訳や作文、スピーチコンテストなどの課外活動があります。私は2018年と2019年の在ベラルーシ日本大使館主催の日本語弁論大会に参加しました。

https://www.by.emb-japan.go.jp/itpr_ja/education_benrontaikai2018reportj.html

https://www.by.emb-japan.go.jp/itpr_ja/education_benrontaikai2019reportj.html

来年はもっと素晴らしいスピーチができるようにベストを尽くすつもりです。今私は6月にあるGUAMスピーチコンテストのための原稿を準備しています。私はこのようなイベントは、自分自身の考えを整理し、不安を克服し、勇気を持つための挑戦であり、授業を受けるだけよりもっと新しいことを学べると思っています。

昨年の弁論大会では、私がなぜ日本語の「海」という言葉を好きかを話しました。今年はなぜ言葉は力強いのか、そしてその力で何がなされるべきかという私の見解を話しました。スピーチをするときはいつも、まるで人生で初めて人前で話すかのように不安にかられます。しかし、言語そのものがどうしてか自分を勇気づけてくれます。私が日本語を聞くとき、また話すときは、まるで音楽を聴いているように感じます。宿題の山があったとしても私は喜んでやります。どのコンテストに参加しても、日本語を練習する、自分の考えを伝えるという事実で幸せになるのです。

弁論大会にて
大学にて

―今後も日本語の勉強を続けていきますか? これからの夢について教えてください。 

はい、卒業まで日本語を勉強していきます。今年、私はベラルーシの開発者が作った異なるアプリケーションを日本語へ翻訳しました。夏にはいつも、ベラルーシの史跡やレクリエーション施設を訪れる代表団に、通訳ガイドのボランティアをします。母国で日本語が必要とされることが嬉しく、日本語をマスターしたいと思っています。近い将来、自分のスキルを試し、文部科学省かJETのプログラムに応募して、自分の日本に関する知識を深めるために長期間日本に戻りたいです。観光やコミュニケーションだけではなく、日本の学術界や職場に参加することによって、より多くの経験を積むためにベストを尽くしたいと思っています。私は通訳、ガイドまたはジャーナリストなるために、芸術と言語のスキルを組み合わせることに尽力したいと思います。同時に、私は活動的で社交的、責任を重んじる人間ですので、イベントを企画したり、交換プログラムに貢献したり、自分の会社を設立したりといった活動を行いたいです。世界は様々な機会に満ちていて、私は色々な方向に行く用意ができています。

私は日本とベラルーシが好きなので、両国の架け橋となれたら素晴らしいと思います。もっと幸運に恵まれたなら、他の国々とも繋がりを作り、それを強固にすることにも挑戦できるかもしれません。私はMIRAIプログラムに参加して日本を訪問する前後に、両国について宣伝することができました。例えば、自分の母国について話し、また大学では日本についてのスピーチをしました。様々な写真と共にたくさんの記事を書き、ベラルーシの外務省にて経験をシェアすることもできました。私は二つの文化の間の仲介者または伝達者として貢献できたことを嬉しく思います。私は、「自分が誰であるかは問題ではなく、誰もが国々の関係において大きく貢献することができ、周りの人々を刺激することができるのだ」と信じ始めました。思考はグローバルに、行動はローカルで。もしもう一度似たようなことができるチャンスがあったら素晴らしいと思います。

私の夢は、母なる地球の全体像をつかみ、国際的な市民の概念を理解するために、言語を学び続け、できる限りたくさんの国々を訪れることです。

―これからJICE国際交流プログラムに参加する人たちへアドバイスをお願いします。 

参加者の皆様へ、自分自身が世界に向けて広がろうとすれば、もっと世界が広がっていくと私は思います。私達は時として自分達の見解を見直して、居心地の良いところから飛び出し、大きなチャレンジをしなければなりません。けれども、何かが待っている、もしくは、あなたを呼んでいると思うのならば、躊躇することはありません。応募申込書に記入して、「申請」をクリックし、日本があなたを受け入れてくれるようにすればいいのです。日本はひとりひとり、それぞれの心への道を見つけることができる国であり、JICEがあなたの日本探検を手助けしてくれます。

ベラルーシ共和国の外務省にて
弁論大会にて

問い合わせ先

JICE 国際交流部 青少年交流課

03-6838-2730