JICE関西支所では、2023年12月より、大阪市の「多文化共生の地域づくりに向けたエリアプログラム支援事業」を実施しています。
2023年12月末現在、大阪市には160の国や地域を出身とする約17万人の外国人住民が居住しており、今後もその数は増えていくことが予想されます。一方、少子高齢化の進展により、地域運営の継続に課題を抱えている地域は少なくありません。本事業では、外国にルーツを持つ住民と日本人住民の相互理解、つながり・交流を促進し、外国にルーツを持つ住民が日本人住民と共に地域づくりの担い手として活躍できるまちづくりを支援します。
2023年度は本事業の皮切りとして、大阪市内の4つのモデル地域において以下のイベントを開催しました。
1.生野区
2月22日、「北巽まちづくり協議会・北巽連合振興町会」定例会において、地元企業で働くベトナム出身の住民2名を紹介しました。お二人は生野区での暮らしについて、日本語で話してくださり、地域の方々と親交を深めました。
また、3月10日には、北巽会館・老人憩の家にて、「おやこカフェ」を実施しました。当日は日本と中国・ベトナム出身の親子7組が参加し、世界の童謡を歌ったり、工作で桜の木に花を咲かせたりしながら、交流を深めました。北巽まちづくり協議会の活動についても理解を深めていただきました。
2.浪速区
3月5日、浪速地域ネットワーク事務所にて、ひなまつりをテーマにした「おやこ食堂」を実施しました。当日は日本人児童・外国にルーツを持つ児童9名と保護者4名が参加し、ひなまつりにちなんだクイズやゲームをしたり、ちらし寿司を食べたりしながら、親睦を深めました。浪速地区民生委員・児童委員協議会の委員長にもお越しいただき、相談・学習支援等の地域活動についてもご紹介いただきました。
3.西成区
3月3日、北津守老人憩の家にて、ひなまつり会を実施しました。当日は近隣にお住まいの日本と中国出身の親子計7組に参加いただき、ひなまつりにちなんだ工作やゲームをしたり、ちらし寿司を食べたりしながら、親睦を深めました。北津守連合振興町会の活動についても理解を深めていただきました。
4.港区
3月30日、尻無川自治会館にて「みなと de たぶんか」を実施しました。当日は、日本人、外国にルーツを持つ方合わせて6組12名にお越しいただき、簡単なゲームをしたり、世界のおやつを食べながら交流しました。南市岡地域活動協議会の理事長や主任児童委員、港区社会福祉協議会の方にもお越しいただき、地域の活動についても理解を深めていただきました。
各イベントに参加した外国にルーツを持つ住民からは、「子どもが同じ保育園・幼稚園に通っていても、保護者同士で話す機会は少ないので、このように親子で参加できるイベントがあって嬉しい」、「地域のいろいろな活動をもっと知りたいと思った」、日本人の参加者からは、「普段接点のない外国にルーツを持つ方と話ができてよかった」等の声が聞かれました。
JICE関西支所では2024年度も本事業を継続して実施し、大阪市の多文化共生の地域づくりを支援してまいります。
※本事業の詳細については、大阪市「多文化共生のまちづくり」ポータルサイトおよび「多文化共生のまちづくり」Facebookページもご覧ください。
関西支所 大林 由季